世界最大の水中洞窟にマヤの神殿跡、古代ゾウも

水中に保存されていた1万年以上の歴史

大マヤ帯水層プロジェクト(GAM)の調査チームが、「世界最大の水中洞窟」で見つかった新たな遺物について
公表を続けている。同チームは2018年1月、メキシコのユカタン半島にある二つの巨大な洞窟がつながっており、
世界最大の水中洞窟になっていることを発見していた。

「この巨大な洞窟は、世界で最も重要な水中考古学遺跡の一つです。アメリカ大陸に最初に定住した人々や、
絶滅した動物、もちろんマヤ文明のものなど、100点以上の考古学的遺物があるのです」。GAMの水中考古学者で
ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもあるギレルモ・デ・アンダ氏は、1月の洞窟発見の際にこう語っていた。

マヤの神殿、古代の動物も

全長346キロにおよぶこの水中洞窟「サック・アクトゥン洞窟」は、時代とともに水位を変化させてきた。深刻な干ばつの
時期には重要な水源になっていたと研究者は考えている。氷河期が終わりを迎えた際には90メートル以上も水位が
上昇して洞窟が水没し、絶滅した大型動物の骨などが残された。人間は洞窟には住んでいなかったようだが、
水を求めて訪れていた可能性がある。

洞窟内では1万5000年前の大型のナマケモノやゴンフォテリウムと呼ばれる古代ゾウなどの骨のほか、マヤの戦争と
商業の神を祀った精巧な神殿も見つかっている。

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また、焼かれた人骨や陶器、彫刻によって描かれた壁画など120点を超える遺物が発見されており、なかには
1万2000年以上も前のものもあるという。石灰石の堆積層から見つかった人間の頭蓋骨は9000年前のものだと、
デ・アンダ氏は話す。

考古学者らは何十年にもわたってこれらの洞窟を調査し続けている。今回発見された人工遺物や大型動物は、
従来見つかってきたものとも一致している。「これほどの遺跡は世界にも類を見ないでしょう。考古学的遺物が
数多く残されており、保存レベルにも目を見張るものがあります」と、デ・アンダ氏は語る。

ただし、サック・アクトゥン洞窟も環境汚染とは無縁でないと、専門家らは指摘している。

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/022100081/

以下の画像はAFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3163281?pid=19848329

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メキシコ南東部キンタナロー州の水中洞窟で見つかった更新世に生息していたとみられるクマの骨
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メキシコ南東部キンタナロー州の水中洞窟で見つかったマヤ神話の商業の神を表現しているとみられる仮面
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メキシコ南東部キンタナロー州の水中洞窟で見つかった器
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メキシコ南東部キンタナロー州の水中洞窟で見つかった握り拳の形をした遺物