■実は現在のマツダは一番難しい局面にある(抜粋)

フェルディナント・ヤマグチ(以下F):ロードスターが高い? いったい誰が
そんなこと言っているんですか?

藤原清志マツダ取締役専務執行役員:昔からのファンの方々です。

F:昔のロードスターと比べれば、それはねぇ……。私はNDロードスターは非常に
お買い得感の高いクルマだと思いますけれども。

藤:そこはバランスですね。どうプライシングしていくか、実は現在のマツダは
一番難しい局面にあるのではないかと思います。そしてもうひとつ。例えば2012年
に出した初代CX-5。あのクルマのリセールバリューは相当上がってきています。

F:そうですね。Yさんの海外赴任したご友人は、相当高く売れたと聞いています。

マイトのY:ええ、中古の業者さんが満面の笑みでめっちゃ高く買ってくれたそう
です。相当前の話ですけどね。そういう意味では、マツダのリセールバリューは、
もうかなり前から良くなっているはずですよね。もう「マツダ地獄」という言葉も
聞かなくなりましたし。

F:本来の意味でのマツダ地獄ね(笑)。「当欄で延々とマツダの記事が続く怪奇
現象」ではなく、「下取り価格が安いから、次もマツダ車を選ばざるを得ない負の
スパイラル」、という……。

藤:本当に聞かなくなったでしょう。マツダ地獄。もうフェルさんだけですよ。
そんなことを言うのは(笑)。

F:マツダとして、「マツダ地獄はもうなくなった。過去のものだ」と認識された
のは、時期としてはいつ頃のことですか。

藤:初代CX-5を発売した、2012年からですね。

F:企業としては最悪の言われ方ですものね。なんとかしなくちゃイカンと。

藤:これはたぶん日本のお客様にキチンと伝わっていないように思うのですが、
最初に正しいお金、正しい価格で買うと、価値が維持されるんですよ。最初に値引き
をすると、どんどん自分の持っているクルマって落ちていくんですよ。先程お話し
した、EVを補助金を貰って買うのと全く同じことです。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/194452/020900168/