スポーツタイプの自転車(スポーツサイクル)にはさまざまなカテゴリーが存在するが、日本においてはロードバイクの人気が高い。
都市部の交通事情はさておき、地方までくまなく道路が舗装され、主要な道路沿いにはコンビニや道の駅、自動販売機といった補給スポットも充実。
おまけに起伏が豊かで自然に恵まれた日本は、ロードバイクを楽しみやすい環境が整っている。

 またハードウエアの面でもロードバイクは以前に比べて格段に買いやすくなった。かつてロードバイクは限られた上級サイクリスト向けに設定されていたが、
一般ユーザーにも浸透し始めた2000年代中ごろからフレームのジオメトリー(各部の寸法のこと。乗車姿勢や走行特性に大きな影響を与える)や
ギア比などを初心者でも扱いやすい設定にしたモデルが増えてきて、選択肢は大きく広がった。

 そして2018年、ロードバイクの入門用として特におすすめしたいのが、13万〜20万円の本格派アルミロードだ。

 ロードバイクのフレームにはカーボンやクロモリ(鉄鋼)、チタン、アルミなどが用いられる。
現在、プロの自転車レースで使用されるハイパフォーマンスモデルはほぼすべてがカーボンフレーム(カーボンロード)だが、
これはほかの素材より軽量に作ることができ振動吸収(収束)性に優れ、設計自由度も高いから。
一方、アルミはクロモリと並んで低価格なモデルに多く採用される素材だが、近年は廉価グレードのカーボンロードをしのぐ性能を誇る、
本格派アルミロードが1つのカテゴリーとして確立されつつある。キャノンデール「CAAD12」シリーズを筆頭に、
ジャイアント「TCR SLR」シリーズ、スペシャライズド「ALLEZ SPRINT」シリーズなどがそれだ。

 従来のアルミフレームは走行性能を重視してフレームの剛性を高めると、どうしても乗り心地が硬くなってしまうのが欠点だった。
ロードバイクは1日で100kmを超えるような長距離をより速く走るための自転車であるため、乗り心地の悪化はそのパフォーマンを損なう要素だ。
ところが近年はアルミフレームの加工技術が進み、部位ごとに形状やパイプの厚みを変化させることで走行性能と乗り心地を高いレベルで両立できるようになった。

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