性感染症の梅毒の流行が近年、勢いを増している。とりわけ、20代の女性患者が急増中であることが気がかりだ。
流行の拡大を抑えるためには、社会がこの現状を知ることが必要だ。
医療機関には、分かりやすい情報提供に力を入れてもらいたい。予防知識の普及と併せて、受診と早期治療への流れを形成していくことが急がれる。
梅毒は、細菌のスピロヘータの一種であるトレポネーマ・パリダムによって起きる。
抗生物質・ペニシリンによる治療が始まった1940年代以降、感染者は世界的に減少していたが、今世紀に入って増加傾向が見られるようになっていた。
厚生労働省によると、日本では2011年ごろから増え始め、昨年の国内患者数は4500人に達した。10年には620人だったので、6年間で7倍以上という大幅増である。
そして、拡大ペースの加速ぶりが憂慮される事態となっている。一昨年の患者数は2700人だったので昨年はその1・7倍だ。1年間でほぼ2倍増である。
http://www.sankei.com/smp/life/news/170828/lif1708280004-s1.html