114人が新成人となった岩手県大槌町では、震災時に共に大槌中1年で13歳だった川崎千香さん、佐々木悠真さんの2人が犠牲になった。
級友たちは遺影を抱えて成人式に臨み、2人に思いを寄せた。
「『ちっか』と成人式に出たかった」と涙をぬぐったのは川崎さんのバスケ部仲間だった公務員田中理子さん(19)。
「かわいかったから振り袖が絶対に似合ったと思う。いつも元気な子で、楽しい思い出がいっぱいある」と振り返った。
悠真さんの幼なじみの会社員吉田隼人さん(20)は「成人式に連れてきたぞ」と心の中で語り掛けた。「ずっと仲良しだった悠真が今もこの場にいるような気がする。絶対忘れないし、あいつの分も生きていく」と話した。
大学2年の佐々木紘也さん(20)は4日夕、同じクラスだった悠真さん宅を訪ねて仏壇に缶ビールを供えた。
「一緒にいたのは短い間だったけど、悠真は大切な仲間。乾杯したかった」。
3月11日や盆に線香を上げに行き、最近は遺影の前で小学校教諭を目指すことを誓っているという。
式では出席者代表として抱負を述べ「この町は人を思う優しさと、何事にも立ち向かう強さを教えてくれた。これからはそれぞれの道で震災後の経験を生かし、ふるさと大槌に貢献していこう」と呼び掛けた。
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