【ソウル大貫智子】2015年12月の慰安婦問題に関する日韓両政府合意について韓国政府が再検討をしていた問題で、康京和(カン・ギョンファ)
外相は9日午後2時に合意の取り扱い方針を発表する。韓国外務省が8日、明らかにした。聯合ニュースによると、韓国政府は合意に対し「日本政府の責任ある措置」を求める一方、
日韓関係に配慮して破棄や再交渉には踏み込まない方向で、発表内容の最終調整を進めている。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、昨年12月27日に発表された韓国外相直属の合意検証作業部会の報告書を受け、合意には「内容上も手続き上も重大な欠陥があった」
と強く批判。聯合ニュースによると、こうした文氏の発言を受けて韓国政府は「誤った合意に対する責任ある措置」を日本側に求めていく方向で検討しているという。
韓国青瓦台(大統領府)は当初、合意に関する韓国政府の後続措置について、文大統領が10日の新年記者会見で発表する案も検討していたが、
事前に政府の立場を打ち出した方が文氏に与える政治的負担が少ないと判断し、外務省による立場表明を先行させることにした模様だ。
一方、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は8日、韓国外務省の金容吉(キム・ヨンギル)東北アジア局長と韓国外務省で会談。その際には、
9日に慰安婦問題の方針発表を行うとの説明はなかったという。金杉氏は会談後、記者団に対し「報道が先行していることに対して強く苦言を呈し
、情報提供を求めた」と述べた。金杉氏は会談で、合意の着実な履行を改めて求めたという。
金杉氏はこれに先立ち、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の韓国首席代表の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長とも会談。韓国外務省によると
、両氏は9日の南北当局者会談など「最近朝鮮半島で醸成されている平和のモメンタム(勢い)が北朝鮮核問題の平和的解決につながるよう外交的努力を強化する」ことで一致した。
一方、金杉氏は核問題では北朝鮮に最大限の圧力を加え続けていくことで一致したとの考えを示した。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180108-00000065-mai-kr