お金2.0 新しい経済のルールと生き方」の著者で時間を売買できるサービス「タイムバンク」を展開する株式会社メタップス代表取締役CEOの佐藤航陽氏と、
新しい経済をどう生きていくか語る。(聞き手:洪由姫NewsPicksエディター)
「お金2.0」が予言する7つの未来
洪:
なぜ、この本を今書こうと?
佐藤:
お金はどういった形をしているのかその正体を暴いて、お金から解放されるような時が来てほしいと思っていました。
仮想通貨も盛り上がってきている中で、おそらく自分が今の考えていることを話しても、世の中の半分くらいが頷けるんじゃないかなと思って一冊にまとめました。
もともと「経済を選べないのはズルい!」と思っていたんです。政治は政党があって選べて、結婚相手も選べます。いろいろなものが選べるのに
、経済は資本主義しかなくて、選べないのはおかしいのではと。選べないから競争が発生しないので、経済は一社独占の状態。経済がいくつもあればお互いに競争し合って
、良いものだけが残るという市場原理が経済自身にも働くと思い、それが今なら実現できると思いました。
「お金2.0」が予言する未来とは?
洪:
「10年で新しい経済がやってくる」ということですが、どんな経済ですか?
佐藤:
今の経済は役に立つとか儲かる、(1)有用性としての価値 といったいわゆる実用性や有益性をメインに扱っています。(2)「内面的な価値」 は、興奮やこの人を応援したい
、感謝しているなどの人間の精神的な価値。あとは世の中へ良いことをしたいという(3)社会的な価値 があります。
正社員である必要がなくなる
洪:
どちらのレイヤーにも行き来できる働き方や生き方になっていくということですか?
佐藤:
新しい働き方が向いている方はそっちに振り切ってもいい。既存の枠組みの方がうまくいく方はそっちでもいい。今、その中間地点に私たちは今ちょうど、いるのかなと思っています。
洪:
「お金2.0」が予言する未来には「正社員である必要性がなくなる」とあります。これはどういうことですか?
佐藤:
1人の人が1つの会社、職業から収益を得ていくという体制自体がここ10年でガラッと変わるのではないかと思っています。収入源が5個、10個あることが当たり前になります。どこか一つに属していることがレアケースだなという状況ができていくんじゃないかと思っています。
洪:
一つの会社に所属して給与をもらうという既得権益がなくなる?
佐藤:
逆に言うと、会社もいろいろな人に仕事を頼みやすくなります。実力があるのであれば働く側の人もいろいろなところから受注が得られるという仕組みになると思います。かなり自由度は上がりますね。
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