かつて日本が世界へ雄飛し始めた頃、日本人には高潔な精神があった。内向きになったと言われる今はどうか。
新たな年を迎え、台湾の元総統、李登輝氏(94)が未来を担う日本人に訴える。
2014年、私はウェッジから『李登輝より日本へ贈る言葉』という本を出版した。
その第7章には「これからの世界と日本」と章題を付けたが、これは日本や台湾が直面している混沌とした国際情勢にいかにして立ち向かっていくべきか、など日頃から考えていることを書いたものだ。
この本が出版されて3年以上が経った。しかしこの間、国際社会には日本を悩ます難題が山積し続け、不透明感が増し、情勢はむしろますます激変を続けているといえる。
こうした混沌とした時代、さまざまな課題を抱える今の日本に必要なものは何か。私はそれが「人生の先生」と仰ぐ後藤新平の精神だと考えるのである。
2007年5月、私は家族とともに日本を訪れ「奥の細道」を散策する機会を得た。ただ、この訪日にはもう一つの目的があった。
この年、藤原書店が創設した「後藤新平賞」の第1回受賞者に光栄にも選ばれ、授賞式に出席することになったのである。
授賞式の席上、私は「後藤新平と私」と題した記念講演を行い、「後藤は私の先生です」と述べた。
台元湾総統の李登輝氏が日本人に訴え「後藤新平の精神を取り戻せ」
http://news.livedoor.com/article/detail/14124990/