サンゴ礁の白化現象が世界中の海でまん延、「もう元には戻せない」という専門家も


世界中の100か所以上のサンゴ礁の変化を調査した研究結果から、世界中の海にあるサンゴ礁で
白化現象が発生するペースが過去よりも速くなっており、自然による回復が追いつかずに今後消滅に
向かう危険性が指摘されています。この変化は海水温の上昇が主な要因となっており、
地球全体の気温が上昇する気候変動の余波を受けているものと考えられています。

Window to Save World's Coral Reefs Closing Rapidly
https://news.nationalgeographic.com/2018/01/coral-bleaching-reefs-climate-change-el-nino-environment/

Coral reef bleaching 'the new normal' and a fatal threat to ecosystems | Environment | The Guardian
https://www.theguardian.com/environment/2018/jan/04/coral-reef-bleaching-the-new-normal-and-a-fatal-threat-to-ecosystems

サンゴ礁の白化現象は、海水の温度が高すぎる・低すぎることや、淡水の流入による海中塩分濃度の減少などで
生き物であるサンゴ(造礁サンゴ)がストレスを受け、その体内に住まわせている「共生藻」を失ってしまうことで
起こります。共生藻を失ったサンゴはしばらく生き続けることができますが、共生藻が光合成によって
産みだしていた光合成生産物を受け取ることができなくなって、やがて死んでしまいます。サンゴが死滅する
前に共生藻が復元されたサンゴは比較的早く回復することができますが、広範囲にわたってサンゴが
絶滅してしまったところでは、再びかつてのようなサンゴ群集に回復するには長い時間がかかると考えられています。

サンゴの白化現象は、1990年代から飛躍的にその数が増加したことが確認されています。特に1998年に起こった
世界的なサンゴの白化現象では、赤道付近に位置する多くのサンゴ礁で大規模な被害を受けていました。

https://gigazine.net/news/20180105-coral-reef-damage/