「キレる若者」を経て今や駅や電車の暴力行為6割が中高年に
かつて「キレる若者」が話題になったが、分別のあるはずの大人の世代までが、キレやすくなっている。
11月末、着陸直後の機内で立ち上がり、乗務員にシートベルトを締めるように言われた70歳の男が、乗務員に暴行を加えて逮捕された。駅構内や電車内で発生した暴力行為の60%が40〜60代の中高年というデータも出ている。
多くの人たちが怒りをためこんでいる。このままでは、怒りに振り回されてしまうだろう。ぼくたちは、「アンガーマネージメント」に真剣に取り組まないといけない時代を迎えているのだ。
怒りをコントロールする方法に、「6秒ルール」というのがある。怒りの神経伝達物質ノルアドレナリンのピークは、6秒といわれている。6秒待つと怒りは収まっていく。だから、ムカっときたら、心のなかで6秒カウントすると、怒りをやり過ごすことができる。
「いっぷくする」のも、いい方法だ。イライラしてきたら、とにかくお茶の時間にする。緑茶でも、紅茶でも、コーヒーでもいい。好きなものを飲んで、ブレイクするとイライラが鎮まっていくものだ。
それでもダメなら、「一晩寝てまて」。睡眠は、記憶に関係している。脳は睡眠中に、何を記憶し、何を忘れるか仕分け作業をしている。記憶は脳の海馬にいったん貯められ、レム睡眠という浅い睡眠のときに大脳皮質に移されて、記憶として固着する。
睡眠中、脳は感情の整理もしている。その日、怒り心頭に発しても、寝ている間に感情が整理され、翌朝、「まあいいか」と思えるようになることがけっこう多い。
むき出しの怒りは、周囲の人たちを傷つけ、その人自身の立場も悪くしていく。だからといって、怒らないようにするのは難しい。怒ってもいいのだ。怒ったら、それを負のエネルギーにするのではなく、建設的な正のエネルギーに変える方法を考えることが大切だと思う。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171223-00000012-pseven-soci&pos=3