フランス大使館のツイッターが炎上している。
19日に2名の死刑が執行されたことに抗議する内容で、ツイートは大使のコメントとして投稿された。

フランス大使館 @ambafrancejp_jp
ローラン・ピック駐日大使「日本人死刑囚2人の刑が今日執行されました。
フランスは世界中の至る所で、死刑という非人道的で犯罪抑止効果がない刑罰に反対しています」
死刑制度に対するフランスの見解について、詳しくはこちらをご覧ください。
https://jp.ambafrance.org/article12169


死刑が執行された2名のうち1名は1992年に千葉県市川市の一家4人を殺害した元少年であり、殺害に至るまでの凶悪かつ非情な犯人の行動は報道が控えられるほどのものであった。
この凄惨な事件の内容についてはあえてここには掲載しない。興味本位で検索するのも控えたほうがいいだろう。
とにかく思い出すだけでもつらくなる。

こういった事件の経緯も知らず、フランス政府の宣伝広報として、今回の死刑に他国の大使館が言及したのは軽率では済まされない。
そもそも内政干渉である。

フランス大使館へ非難の嵐
事件の全容を知る筆者は、このツイートを見て手が震えるほどの怒りを覚えた。死刑反対を訴えるなら、せめて別の事件にしてほしかった。今回はあえて「市川一家4人殺害事件」に関することは除いて、それ以外の理由でフランス大使館に抗議している方々の意見を紹介する。

まず、フランスではテロ容疑者は裁判を経ることなく、その場で射殺しているということ。テロに対する厳しい対応は理解できる部分はあるが、即射殺やむなしという判断をするフランスに、日本の凶悪犯が裁判を経て死刑になることを批判されたくはない。

フランスではイスラム教に対する嫌悪が酷く、公立学校におけるヒジャーブ(スカーフ)を禁止の法律や、公の場で顔を隠すことを禁止するなど、イスラム教徒の人権が蹂躙されている。昨年には、イスラム教徒が肌を隠したまま遊泳する水着「ブルキニ」の着用を禁止するリゾート地も問題となった。
こうやって、イスラム教徒をテロリストと決めつけ嫌悪するフランスが、テロリストは即射殺するのは差別と嫌悪が背景にあるのではないかと疑わざるを得ない。

また、中国の公開処刑を批判せず、日本の死刑制度を批判するのもおかしな話だ。

フランス大使館が日本で死刑に反対するのは自由だが、個別の執行案件に対して抗議するのは内政干渉と言わざるを得ない。
日本人が凶悪犯を憎み、遺族感情にも配慮し死刑制度存置を望むのは、あくまで「死刑に値すると司法が判断した犯罪者」が対象であり、フランスのようにテロ事件を契機に罪の無い「イスラム教徒」までを嫌悪するのとはわけが違う。フランス大使館は軽率なツイートを詫びるべきだ。
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http://ksl-live.com/blog12785

■参考資料
市川一家4人殺人事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/市川一家4人殺人事件