PVの研究開発で最もホットな話題がPSCである。17年のノーベル化学賞候補に桐蔭横浜大の
宮坂力教授の名前が挙がったことで、その知名度も一気に上昇した。

PSCの開発に取り組む研究機関は世界中で900を超えており、この中には、アフリカ諸国や
北朝鮮も含まれる。変換効率は23%が目前で、商業化の動きも活発化している。

PSCの課題は耐久性だが、最近では、素子構造や成膜方法の最適化で劣化を大幅に抑制できるようになってきた。
大面積モジュールを高効率で再現性よく生産できる製造技術および装置の開発が商業化の条件になる。

Oxford PV(英国)、Saule Technologies(ポーランド)、Greatcell Solar(オーストラリア)などの
ベンチャーが商業化に取り組んでいるが、中国でもJinko SolarやMicroquanta Semiconductorが
PSCの商業化を検討している。

日本では、NEDOプロジェクトで開発が進んでおり、パナソニックが20cm角モジュールで12.6%、
東芝が5cm角のフィルム基板で13.7%、積水化学工業が金属箔サブモジュールで13.1%の効率を
実現している。

ノーベル賞候補者を輩出した以上、日本も商業化で負けられない。

http://www.toushin-1.jp/articles/-/4785