次に気付いたのは下半身を丸裸にされ、男が腰をつかんでペニスを挿入してくるところだった。
「イ、イヤッ!!」
記憶は断片的だが、乳房を触られたり、キスをされた記憶もない。ミシミシと膣路をかき分けられ、いきなりの「結合」だったのだ。
やがてすっかり埋まりきった肉棒が栄子の膣をふさいだ。ズンッと亀頭の先が確実に膣奥を突き上げる。
「ん、あああッ…」
膣の中に肉棒が差し込まれている感覚だけは確実にあった。やがて男はピストン運動を開始したが、そこからの記憶が再びない。
次に気が付いたときは、男が息を荒くしたまま残り汁でも絞り出すかのように腰を小刻みに振っているところだった。
(中に出された…)
膣の奥底が熱かった。栄子は彼氏との中出し経験が何度かあったので、それが分かった。男は射精による多幸感を栄子の膣の中でいつまでも味わっていた。
男はようやく膣からペニスを引き抜くと、何事もなかったかのように下着とズボンをはかせた。栄子はかろうじて玄関まで逃げ出し、上着ポケットに入っていたスマホでアヤコや彼氏に助けを求めた。栄子の彼氏は機転を利かせて自分の母親に連絡し、直ちに栄子の様子を見に行くように頼んだ。
栄子の訴えを聞いた関係者たちは安田に詰め寄ったが、「とんでもない。誘ってきたのは栄子の方。合意の上だった」とレイプであることを否認した。
間もなく栄子の家族も帰ってきて、栄子から事情を聴いた父親は安田との“示談”に乗り出し、それが決裂したことから1カ月後に刑事告訴した。
栄子は「本当に死ぬかと思うほど気分が悪かった。演技などできるわけがないし、抵抗できる状態でもない。犯人は好みではなかったし、誘われてもセックスしなかった」と訴えた。
だが、栄子はこれまでにも二度にわたり、「意識がないときにラブホテルに連れ込まれて強姦された」と訴え、その都度、父親が乗り出してきて相手の男と“示談”による金銭解決を図ってきたことが発覚。安田は「和姦だった」という主張を曲げず、「これは被害者の陰謀だ」と繰り返した。
しかし、安田にも同種の前科前歴があることが発覚。果たして、どちらの言い分が正しいのだろうか。
事件は平日の早朝に起きた。栄子もアヤコもユキも現役高校生で、普通なら学校に行かなければならない時間だ。それなのに夜遊びにふけり、同類の男たちと出会い、こんな事件に巻き込まれたのだ。いつの時代も好奇心旺盛なティーンエージャーには、トラブルが付きものなのかもしれない。
(文中の登場人物はすべて仮名です)
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