重機なし、短時間で仮設住宅建設へ 試作テスト実施 手つかずの山林から木材調達 滋賀
地震などの大規模災害時に利用できる、木材を組み合わせた簡易仮設住宅の組み立てテストが25日、甲賀市で行われた。
重機などを使わずに短時間で建てられるのが特長。県内の建築士らのグループが商品化を目指しており、手つかずの山林の木材を活用することで地域活性化にもつながると期待される。
仮設住宅は面積約10平方メートル、高さ約2・5メートルの木造平屋建て。あらかじめ溝や穴がほられたスギ材約400個を組み合わせて作られ、重機や複雑な工具などは必要ない。
同市甲南町下馬杉で行われた組み立てテストでは、土台にコンクリートブロックを設置する工程にやや時間がかかったものの、大人3人で屋根以外のほとんどの部分が組み上げられた。
公益財団法人「淡海文化振興財団」が主催する「おうみ未来塾」のメンバーの建築士や福祉関係者ら6人が企画。
県立大と行った試験では耐震基準を満たしており、今後商品化を進める。価格は1軒あたり250万円程度になる見込みという。
材料には、高齢化で手入れされなくなった長浜市内の山林の木材を利用する。リーダーで建築士の池田金夫さん(65)は「地域活性化につながるはず」と意気込む。
実際に組み上げられた仮設住宅は「あちこちに隙間ができているなど細かい調整が必要」と池田さん。今回のテスト結果を踏まえ、強度や作りやすさの向上を目指すという。
http://www.sankei.com/west/news/171126/wst1711260038-n1.html