2002年11月、名古屋市中区のパチンコ店駐車場で現金輸送車が襲撃された強盗殺人未遂事件は
18日午前0時、強盗殺人未遂罪の公訴時効(事件当時は15年)が成立した。
愛知県警はこれまで延べ約8万2千人の捜査員を投入したが、検挙には至らなかった。
事件は02年11月18日正午ごろ、中区富士見町のパチンコ店駐車場で起きた。
2人組の男が現金輸送車を襲い、警備員2人に発砲、現金約870万円を奪って逃げた。
1人が一時重体となり、もう1人も重傷を負った。
県警によると、捜査線には約1400人が浮上した。
愛知など1都1府9県のほか、中国の人物も捜査対象となったが、犯人を特定できなかった。
県警は時効成立の8日前の10日、容疑者不詳のまま強盗殺人未遂容疑で書類送検し、捜査を事実上、終結していた。
首を撃たれ一時重体となった安田好孝さん(52)は重い障害が残り、車いす生活を余儀なくされた。
14日には名古屋市内で記者会見し、
「犯人は逃げ得になる。私は周囲の助けなしでは生きていけないのに、理不尽に感じる」と話していた。
10年の刑事訴訟法の改正で殺人や強盗殺人罪などの公訴時効は撤廃された。
安田さんは「被害者の生死で(時効を)線引きしないでほしい」と訴えていた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23618580X11C17A1CN8000/