2003年に滋賀県愛知(えち)郡(現在は東近江市)の病院で男性入院患者が殺害されたとされる事件で、
無実を訴えながら懲役12年の刑を受けて服役した女性の再審請求の行方に注目が集まっている。
女性は彦根市の元看護助手・西山美香さん(37)。
西山さんが殺人の容疑で逮捕されたのは、看護助手として働いていた2004年7月のこと。
容疑内容は前年5月、植物状態で寝たきりだった男性入院患者(当時72)の人工呼吸器のチューブを外し、窒息死させた疑い。
逮捕当時24歳だった西山さんはこの時点で容疑を認め、「看護助手の待遇に不満があった」などと動機を供述していた。
西山さんによると、この時に自白した一番の原因は、取調官のA刑事に好意を持ってしまったことだという。
「私は、2人のお兄ちゃんが優秀なのに、自分が勉強できへんからコンプレックスを感じていたんです。
A刑事はそういう身の上話を聞いてくれ、『わかる。わかる』とすごい同情してくれて。
好きになって欲しくて、自白してしまったんです」
24歳の時に逮捕され、37歳まで獄中生活を強いられたため、「20代の人生はもう取り戻せない」という思いにかられることもある。
ただ、西山さんは前向きだ。
「A刑事のことを信じて嘘の自白をしなければ、私だって普通に恋をして、結婚、出産をして、今は大きな子どもがいたかもしれないと考えることもあります。
でも、まだまだこれから頑張っていかないといけないし、無罪が証明されるまでは闘っていかないといけないと思っています」
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