無償公開される、スパコンより高速な「量子ニューラルネットワーク計算機」とは何なのか
〜NTT、QNN計算装置実機見学会レポート

日本電信電話株式会社(NTT)、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)、東京大学 生産技術研究所、
科学技術振興機構(JST)、内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)は20日、光の量子的性質を用いた
計算機「量子ニューラルネットワーク(QNN)」をクラウド上で体験できる「QNNクラウドシステム」を開発し、11月27日より
公開すると発表した。

QNNシステムの開発および今回のクラウドシステム公開は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議主導の
「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の下で行なわれたもので、システムの利用にはサイトでユーザー登録が
必要となるが、一般利用も可能となる。

今回の発表に合わせ、NTT厚木研究開発センタで記者発表会が開催され、技術解説やQNN計算システムの公開が行なわれた。

発表会にはImPACTプログラム・マネージャーの山本喜久氏、NTT物性科学基礎研究所 上席特別研究員の
武居弘樹氏らが登壇し、説明を行なった。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1092848.html

(略)

今回公開されるのはコヒーレント・イジングマシンにあたるQNNで、NP困難問題に属する、古典コンピュータでは
解くことが困難な「組合せ最適化問題」に特化している。

(略)

コヒーレントイジングマシンでは、「光パラメトリック発振器(OPO)」の量子力学的特性を用いて最適化問題を
計算する。OPOは、0またはπの位相だけを取る特殊なレーザー発振器で、位相0を上向き、πを下向きの
スピンに対応させることができる。

OPOに接続した長距離の光ファイバーを用意し、その円周上に「位相感応増幅器(PSA)」と呼ばれる光の増幅器を
配置する。このPSAをオン/オフすることで、数千単位のOPOパルスを生成し、人工のスピンとして扱う。

そしてパルス間の結合信号をFPGAによって生成し、パルスにフィードバックさせることで、ネットワークを形成する。
「量子ニューラルネットワーク」という名前は、パルスをシナプスに、フィードバック回路をシナプス結合に見立てて
名付けられたものだ。

https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1092/848/DSCF2623.jpg
https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1092/848/DSCF2650.jpg


以降、常温動作可能なことや通常の量子コンピュータに必須なエラー訂正機能が不要であることを解説
(略)


>>2に「QNNは量子コンピュータなのか」