その後、また都心に出たが、住所もない人間を雇ってくれるところなどない。再びネットカフェで暮らすようになり、「光熱費込みで3万円」というシェアハウスを見つけた。とにかく雨露さえしのげればいいと現地に行ってみたところ、ベッド1つ分のスペースしかないべニア板で囲まれた“空間”だった。
 それでも「天の助け」と考え、まずは働き口を探した。とりあえずパチンコ店で採用され、居酒屋で調理のヘルプに付く仕事にもありついた。さらにクラブにも採用され、道行く人に声を掛けて呼び込みをするという不定期のバイトもすることになった。

 シェアハウスには洗濯のため、1週間に一度帰るだけ。再びネットカフェで寝泊まりするありさまだった。これだけのことをしないと養育費も払えないし、何より自分自身が貧困生活から抜け出せないからだ。
 佐藤は離婚したことをつくづく後悔した。なぜもっと妻をいたわってやることができなかったのか。おかげで、まるで女っ気もない生活になってしまった。

 第1の事件当日、深夜までパチンコ店の新台入れ替えの仕事をしていた佐藤は、上司のおごりで珍しく酒を飲んだ。だが、佐藤は酒を飲むとムラムラしてしまう性格なのだ。
 その帰り道、コンビニから出てきたA子さん(26)を見掛けた佐藤は、いきなり背後から抱き付いてワンピースをまくり上げた。
 「キャーッ!」
 男がパンティーをつかんできたのでレイプされてしまうと思い、必死で抵抗。すると、男はものすごい力でパンティーを引きちぎり、勝ち誇ったかのような顔をして逃げて行った。

 A子さんは直ちに110番通報。医師の診察で外陰部擦過傷により全治3日間と診断された。警察は強制わいせつ致傷事件とみて捜査を始めた。
 一方、佐藤はA子さんのパンティーを大事に持ち続けてオナニーのおかずにしていた。それからも何事もなかったかのように仕事に追われる日々をすごし、その仕事ぶりが認められて系列居酒屋のオープニングスタッフとして採用されることになった。職場に近い新しいアパートに引っ越すための金もたまった。これでようやく貧困生活からも抜け出せるのかと思いきや、佐藤はまた取り返しのつかない事件を起こすのだ。
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