ロシア革命100年 独裁の系譜
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22993030R01C17A1TCR000/
世界を震撼(しんかん)させたロシア革命が起きたのは1917年のことだ。
「パンをよこせ」。民衆の自然発生的なデモに端を発した「二月革命」で
皇帝ニコライ2世は退位し、ロマノフ王朝が倒れた。
続く自由主義者らによる臨時政府はつかの間に終わり、レーニン率いる
ボリシェビキが武装蜂起で権力を奪う……。
史上初の社会主義国家誕生につながった「十月革命」から、7日でちょうど100年となる。
だが今のロシアでは、ロシア共産党など一部を除き、
「革命100年」を祝う動きはほとんどみられない。
ペスコフ大統領報道官は「プーチン政権が記念行事を開く予定はない」とし、
祝う必然性は全くないと断じている。
革命で誕生したソ連が存続していれば違っただろうが、
四半世紀以上も前の91年末に消滅した。ロシアはソ連の継承国といっても、
国家体制も経済システムも、社会構造もイデオロギーも一変した。
11月7日の「革命記念日」そのものも、ソ連解体を主導したエリツィン政権下の96年に
「合意と和解の日」に名称変更された。プーチン政権下の2005年からは、
当日が祝日から外された。歴史的な節目といっても、
何をいまさらという風潮が広がるのは当たり前かもしれない。