◇大阪府、常駐の就職支援カウンセラーで背中押す
人材不足に悩む中小企業に、就職活動終盤に入った学生や転職組の目を向けてもらおうと、自治体が工夫を凝らしている。合同求人説明会やインターンシップの回数を増やし、
「売り手市場」で大手志向の強い学生らに魅力を伝える。約42万社が集まる大阪府は今年度から、合同説明会に就職支援カウンセラーを常駐させ、地元の優良中小企業を知ってもらおうと懸命だ。
「自分のやりたい仕事が分からなくて……」
10月27日、府が主催し106社が参加した合同説明会「内定エクスプレス」。府の就職支援施設「OSAKAしごとフィールド」(OSF)のカウンセラー、
松島朋子さんが座るブースに、就職活動中の無職男性(27)=大阪府高槻市=がアドバイスを求めていた。「関心のある企業を訪ねて、少しでも疑問があったらその場で何でも聞いてみて」。
男性は「背中を押してもらえた」と企業のブースに向かった。
松島さんは「希望業種が漠然としたままの人も多い。少しでも関心ある業界なら『足を運んで』と勧めている」と語る。相談は出展企業の仕事内容や働き方などさまざまという。
リクルートキャリアなどによると、来春新卒の大学生の就職内定率は9月1日時点で88.4%で「売り手市場」が続く。ただ、新卒学生の約53%が大手企業を志向するが、
従業員1000人以上の企業の求人倍率は1倍を割る。一方、従業員300人以下の中小企業は今年4月時点の求人倍率が6・45倍。
第1志望に採用されず就職活動を続けたり、大手にこだわり活動に失敗したりする学生が増えているのも実情だ。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171104-00000035-mai-soci