関西で2人死亡 台風で近畿・中四国に被害相次ぐ
2017/10/23 12:08 (2017/10/23 13:10更新)
台風21号による大雨の影響で、関西地方では土砂崩れなどに伴う被害が相次ぎ、23日、
大阪府岸和田市の冠水した道路付近で、水没した車から同府和泉市の坂内芳恵さん(68)が遺体で見つかった。
坂内さんは現場付近で働いており、行方が分からなかったため、府警や消防が同日朝から捜索していた。
大阪市東住吉区では23日未明、岡田幸一さん(88)が物置のシャッターの下敷きになり死亡した。
和歌山県紀の川市西脇では22日午後8時半ごろ、住宅に土砂が流れ込み、住人の夫婦が巻き込まれ、
夫(82)が行方不明となった。妻(75)はがれきの下から救出された。岩出署によると、足にけが。
警察や消防は23日朝、捜索を再開し、現場から夫とみられる男性が見つかった。男性は意識不明。
裏山が大きく崩れ、近所の人たちは作業を不安そうに見守った。
一方、和歌山県海南市扱沢の県道では22日午後9時ごろ、約20メートルにわたり道路が陥没。
約20分後には近くで土砂崩れが起きた。海南署によると、この間を通行していた車約30台が取り残され、
60人以上が一時孤立した。けが人はいなかった。
車1台が土砂で竹林に転落したが、乗っていた2人は自力で脱出したという。
県警は海南市海南保健福祉センターに避難誘導。毛布やマットが貸し出され、仮眠を取る人の姿もあった。
和歌山県日高川町の主婦、井内晃江さん(39)は「暗闇の中、不安な気持ちでいっぱいでした。
本当にほっとしました」と疲れた様子。激しい風雨で車外に出られず、携帯電話で情報を集めた。
約5時間後、雨が弱まり夫と子ども2人と細い道を歩き、輸送のための車にたどり着いたという。
22日深夜に大和川が氾濫した奈良県三郷町では家屋の浸水被害が相次いだ。下流域の堺市堺区でも道路が冠水するなどした。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22577320T21C17A0AC1000/