米インテルは17日、人工知能(AI)向けに業界初のニューラルネットワーク半導体チップを開発し、
年内に出荷を開始すると発表した。「インテル・ナーバナ・ニューラルネットワーク・プロセッサー」(NNP)で、
2016年8月に買収したAIスタートアップ、米ナーバナ・システムズ(カリフォルニア州)の技術を取り込んだ。
クラウドサーバーなどでディープラーニング(深層学習)の処理に適したアーキテクチャーを備えたという。
「レイク・クレスト(Lake Crest)」のコードネームを持ち、3年がかりで開発した。技術面では大量の
サーバーを運用するフェイスブックと緊密に連携し、同社の意見も反映させたという。
インテルのブライアン・クルザニッチCEOは声明の中で、「AIが2020年までに460億ドル(約5兆1000億円)の
市場を生み出す」としたうえで、NNPが多くの産業でAIコンピューティングを革新すると強調。代表的な応用事例として、
がんや脳疾患の診断・研究といったヘルスケア、個々人の好みに合ったニュースや広告を提供できるソーシャルメディア、
自動運転、天気予報などを挙げた。
インテルは昨年、深層学習の学習性能を2020年までに100倍に拡張するという目標を設定している。
このほかにも、9月下旬には脳の仕組みをまねた回路を持ち、クラウドと接続することなしに自己学習する
「ニューロモーフィック」のテストチップを開発したと発表。こちらは端末側(エッジ)への搭載を想定したもので、
次世代の機械学習手法である「教師なし学習」や「強化学習」への応用を狙っている。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00447110