安倍晋三首相は15日の札幌市内での街頭演説で、ロシアとの北方領土をめぐる交渉の進展に向けた意欲を強調した。「北方領土の返還は私たちの悲願であり、私たちの世代で解決していく決意だ」と述べた。
「平和条約を結べば、両国に大きな利益があることを(ロシア側が)理解できるような状況をつくる」とも語った。
首相は、自身がロシアのプーチン大統領から取り付けた合意に基づき、北方領土の元島民らによる空路墓参が初めて実現したとアピールした。
http://www.sankei.com/politics/news/171015/plt1710150056-n1.html


70年間、残念ながら一ミリも動いてこなかったこの問題を解決するためには、歴史的な経緯などにばかりとらわれるのではなく、北方四島の未来像を描き、その中から解決策を探し出す未来志向の発想が必要です。
そのような発想で、『新たなアプローチ』に基づき、北方四島において共同経済活動を行うための『特別な制度』について、交渉を開始することで合意しました。

これは平和条約の締結に向けた重要な一歩であると確信しております。早急にこれを具体化するため、本日午後には政府を挙げて案件形成に向けた検討をスタートします。
プーチン大統領は会見で、関心は経済だけで平和条約は後回しにするという指摘は間違っている、一番大事なのは平和条約の締結だと明言し、さらに、文書で両首脳が平和条約問題を解決する自らの真摯な決意を表明したことを確認しました。
私とプーチン大統領が、この戦後ずっと残されてきた課題に終止符を打つ、その強い決意を共有したのです。このことが何よりも大事だと考えています。

もとより過去70年以上にわたり解決できなかった平和条約の締結は、容易なことではありません。しかし、元島民の皆さんのふるさとへの切実な思いをしっかりと胸に刻み、一歩一歩、着実に前に進めていく決意です。
そして、交渉を進展させるためには、国民一人一人がこの問題への関心と理解を深め、政府と国民が一丸となって取り組むことが重要であります。
北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結するとの基本方針にのっとり、この問題を解決すべく、引き続き力強い御支援と御協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。」
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201702/07hoppou.html