オーラルセックス(口腔性交)が一般的になってきていることが増加の一因かもしれない。その可能性は否めない――。
いきなり衝撃的な結論から記したが、これはヒトパピローマウイルス(HPV)陽性の「頭頚部がん」の増加に関する米国がん協会 (American Cancer Society ; ACS)の公式見解である。
順を追って説明しよう――。
セックスでがんがうつる理由
頚部腫瘤(けいぶしゅりゅう)とは読んで字の如し、「頸部(首)」に形成される「腫瘤」で、リンパ節腫や甲状腺腫、神経起源の腫瘤や粉瘤、先天性頸嚢胞などがある。
また、こうしたしこりが成人の首に出来ることは決して珍しくはない。とりわけ「高齢者」に好発するのが一般的と従来は考えられてきた。
しかし、近年の米国内では、前掲のヒトパピローマウイルス(HPV)感染に起因した「頭頚部がん」が増加傾向にあり、「若い世代層」にも件の頸部腫瘤がみられる度合いを増してきているようだ。
ちなみに「パピローマ」とは「イボ」の意味で、性器周辺や肛門にできるイボの場合、ある特定型のHPVへの感染が原因となり、女性では子宮がん、男性では陰茎がんの恐れがあるの注意したい。
そんな男女事情の詳細を知りたい方には過去記事「セックスでがんが伝染する? オーラルセックスでも感染するがんとは?(http://healthpress.jp/2014/11/post-1297.html)」をお薦めしたい。
(中略)
話題のガイドラインは、9月10日〜13日にシカゴで開催されたAAO-HNSFの年次集会で発表されたが、頸部腫瘤が「がん」である可能性を示す特徴としては下記のような点をあげている。
■2〜3週間以上に渡って消失しない
■徐々に大きくなっており、あるいは小さくなってはいるものの完全には消失しない
■声の調子に変化がみられる
■食べものを呑み込みにくく、呑み込めても痛みを感じる
■腫瘤がみられる側の耳が聞こえづらく、痛みも感じる
■首や喉の痛みを感じる
■発熱
■説明のつかない体重減少がみられる
(後略)
http://healthpress.jp/2017/10/post-3278.html