パタが生まれた1996年、同館のラッコは90年の開館以来最多の8頭いた。米国から輸入された野生育ちのラッコや水族館生まれも。繁殖のために他の水族館と貸し借りしたり、
死んだりして増減を繰り返し、2013年からはパタ1頭だけとなっていた。今月10日朝、飼育員の手を握りながら息を引き取ったという。
 全国の水族館でも、ラッコは激減している。
 日本動物園水族館協会(JAZA)によると、ピークだった94年には28施設で122頭が飼育された。JAZAの年1回の調査でラッコを飼育していることを把握している9施設に対し、
朝日新聞が問い合わせたところ、今年に入って八景島シーパラダイス(横浜市)でも1頭が死に、13日現在で7施設の11頭にまで減った。そのうちオスとメスのペアで
飼育されているのは4施設で、年齢や相性から繁殖の可能性が見込まれるのは2ペアのみだ。
 海遊館の開館当時からラッコを担当していた地本和史さん(55)はラッコの減少について「輸入が途絶えたこと、ラッコが交尾行動を学習できなかったことが大きな原因」と指摘する。

http://www.asahi.com/articles/ASKBG36HKKBGPTIL008.html