【北京=西見由章】中国は国慶節(10月1日、建国記念日)を祝う大型連休最終日の8日、国内外からのUターンラッシュがピークを迎えた。
一方、抑圧政策に反発するウイグル族住民と治安当局などとの間で衝突が頻発する新疆ウイグル自治区では、公的機関や学校が連休を返上する異例の態勢をとった。
今月18日に開幕する中国共産党大会を控え、自治区政府は治安維持への努力をアピールしているが、地元住民からは不満の声も上がっている。
自治区政府は9月中旬、党大会まで「大中小いずれの規模の事件も起こさない」ことを掲げた治安強化キャンペーンを開始。
事件が起きやすい連休を返上したことはその一環とみられている。
ただ通達は連休初日ごろに突然出されたため、混乱と反発が生じた。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、ある国有企業の職員は旅行先から仕事に戻るよう指示されたという。
インターネット上でも「病気の母の面倒を見ようと思ったのに、休みが奪われた」といった書き込みが寄せられた。地元のウルムチ航空は、無料で航空券を払い戻すなど対応に追われた。
昨年8月、新疆ウイグル自治区トップの党委書記に就任した陳全国氏は、習近平国家主席と経済路線で対立する李克強首相の元部下で、李氏に近いとされる。今回の連休返上は、足をすくわれないよう習近平氏への忠誠をアピールする狙いがありそうだ。
http://www.sankei.com/world/news/171009/wor1710090009-n1.html
国慶節を迎え、大勢の観光客でにぎわう北京の天安門広場。「喜んで第19回党大会を迎えよう」と書かれた花飾りが置かれた
http://www.sankei.com/images/news/171009/wor1710090009-p1.jpg