【ソウル米村耕一】核や弾道ミサイル発射の実験を継続する北朝鮮との外交関係を見直す動きが相次ぎ、北朝鮮の外交・貿易政策担当者たちの間で徒労感が広がっている。
平壌では「もう海外赴任はしたくない」との声すら出ているという。中朝を往復するビジネス関係者が明らかにした。
北朝鮮は今年7月時点で世界の160カ国と国交を結び、49カ所に在外公館を置いている。だが、9月に入って核・ミサイル開発の継続を理由に中南米や欧州などで北朝鮮の大使を追放する動きが加速している。
メキシコは今月7日にキム・ヒョンギル大使を「好ましくない人物」として国外追放した。ペルーも11日にキム・ハクチョル大使の追放を表明。クウェートは7日、ソ・チャンシク大使ら4人の外交官に1カ月以内に出国するように通告した。
スペインも18日にキム・ヒョクチョル大使に対して9月いっぱいで国外に退去するよう求めた。
また、台湾は22日に北朝鮮からの繊維製品の輸入および北朝鮮への石油製品の輸出を全面的に禁止すると発表。聯合ニュースによると、マレーシアは28日に自国民の北朝鮮訪問を禁止した。
いずれも6回目の核実験や、それを受けた国連安保理制裁決議に呼応したものだ。
こうした動きの中で、平壌では北朝鮮外務省や対外貿易省関係者の間で「在外公館に出ても相手国からも外交サークルでも無視され、仕事にならない」「何を言っても批判され、つらい思いをするだけだ」という会話が交わされている。
従来は海外に出れば外貨稼ぎに従事できるため、赴任を希望する声が圧倒的だったが、最近は「できれば赴任したくない」と語られているという。
https://mainichi.jp/articles/20170929/k00/00m/030/050000c