数字の「0(ゼロ)」を示す文字が記されたインドの古い数学書「バクシャーリー(Bakhshali)写本」が、3〜4世紀のものであり、ゼロの用例としては世界最古のものであることを、
英国・オックスフォード大学の研究チームが突き止めた。
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ゼロを発明したのは古代のインド人である、というのはよく知られた話である。ゼロを表現するための記号がそれ以前に全くなかったわけではなく、バビロニアやマヤといった
古代文明でもゼロを表現する記号は存在してはいたが、観念としてのゼロを数学的に定義し、「数」として扱うようになったのは、インドにおいてのことであった、と言われている。
それはいつ頃のことであったのか。従来は、数学者ブラーマグプタが628年に記した数学書、『ブラーマ・スプタ・シッダーンタ』が、ゼロの概念について記した現存最古の
書物として知られていた。そこから遡り、はっきりしたことは分からないが5世紀頃にゼロの概念は成立したのではないか、と考えられていた。
今回の発見により、その年代推定は、若干遡ることになりそうだ。
バクシャーリー写本は、1881年、現在のパキスタンにあたるバクシャーリー村で発掘された、カバノキの樹皮に記された巻物である。1902年より、オックスフォード大学の
所蔵するところとなり、ボドリアン図書館で保管されている。
http://www.zaikei.co.jp/article/20170918/399761.html