「こちらのお子様方の思いを感じると、撤去するのを躊躇いたしました」――。
9月15日、東京メトロ南北線・王子駅に子どもが書いたと思しき人探しの貼り紙が無断で貼り出されていました。本来ならすぐ撤去されるところを、同駅の駅長がとった対応が
「ステキすぎる」とTwitterで評判を呼んでいます。
【東京メトロが対応した貼り紙】
注目を浴びるきっかけとなったのは、Twitterユーザー・325さんのツイート。「王子駅前の貼り紙悲しい」という一文とともに、ある3枚の貼り紙を写真で投稿しました。
2枚は「ママげんき? 電話して ○○(名前) △×ママへ」「ママげんき? まってる 電話してね □□(名前) △×ママへ」(※名前は編集部の判断で伏せ字)と、
明らかに子どもの字で書かれている貼り紙。「△×ママ」を2人の子どもが探しているような、いろいろと複雑な事情がうかがえる内容です。
もう1枚は、この2枚に対する東京メトロからの「お願い」という貼り紙。次の文章が書かれていました。
「地下鉄の建物のため、許可なく掲示物を貼りだすことはできません。また、多くのお客様にご利用をいただいているため、一人のお客様を特別にお認めするわけにもいきません。しかし、こちらのお子様方の思いを感じると、撤去するのを躊躇いたしました。しばらしくしてから撤去いたします。連絡があります様に。 駅長」
無断の貼り紙は撤去しなくてはいけませんが、貼り主の気持ちを思ってあえてそのままにするだけでなく、他の利用客に理解してもらえるよう周知した、
駅長の判断。Twitterでは貼り主に「痛切だ」「心配」と不安を感じる一方で、東京メトロの対応に「駅長ステキすぎる」「心打たれました」
「王子駅と駅長さんを支持します」と、称賛する声が多くあがりました。ツイートは1日で10万回以上リツイートされ大きな反響を呼んでいます。
東京メトロ広報部に確認したところ、王子駅の「お願い」という貼り紙は15日に担当駅員が貼ったもので間違いないとのこと。貼り紙については
「しかるべき対応をとった」(広報)。その後、「ママげんき?」の貼り紙がそのまま掲出されたところで問題が解決されるか疑問に思えたので、2枚とも撤去して警察署に届けたといいます。
王子警察署に確認したところ、貼り紙の件については「個人のプライバシーに関わることなのでお答えできないです。申し訳ございません」との回答でした。王子駅の駅長と同じく、
貼り主に「連絡があります様に」と願うばかりです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170916-00000026-it_nlab-life
ママ元気の張り紙
http://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1709/16/kuro_170916metoro01.jpg