インド、太陽光発電に影落とす大気汚染 スモッグなどで25%減少
2017年09月13日 16:29 発信地:ガンディナガル/インド
大気汚染が太陽光発電の障害に──。
太陽光発電に力を入れるインドで、スモッグや粉じんが太陽光による発電量を25%超も低下させているとの調査結果が明らかになった。
大気汚染が太陽光発電の効率を落としているとの懸念は以前からあったが、調査で裏づけられたのは初めて。大気汚染が人々の健康
だけでなく、エネルギー生産も損なっていることが分かった。
調査はインド工科大学(IIT)のチンマイ・ゴロイ准教授、米デューク大学のマイク・バーギン教授らのチームが行い、先ごろ論文を発表
した。25%超という発電量の落ち込み幅も想定以上の大きさだった。
研究者らは、大気中に浮遊する汚染物質と、それがすすとして太陽光パネルに付着したものが、太陽光をエネルギーに変換する上で
どの程度障害になっているかを調べた。
発電量の損失は、インドで導入されている太陽光設備の能力に基づくと、およそ390万キロワットに達する計算になる。これは、250万枚
の太陽光パネルが設置された国内最大の太陽光発電所の発電能力の6倍の規模だ。
砂漠地帯のある西部ラジャスタン州やグジャラート州では長年、ちりが太陽光発電事業の脅威となっており、砂嵐が起きた後にパネルの
汚れを除去するロボットワイパーを配置するといった対策が取られている。
しかし今回の調査では、太陽光発電事業者が長年疑っていたこと、つまり、とくに自動車や石炭火力発電所、野焼き、ごみの焼却から発
生するスモッグが発電量を落としていることが事実と確認された。
研究者らは、人工汚染物質が太陽光パネルに堆積することで生じる汚れの膜は、粉じんに比べてはるかに多くの太陽光をさえぎっており、
洗浄で取り除きにくいとも指摘している。
http://www.afpbb.com/articles/-/3142086
インド工科大学の太陽光パネルの前で話すチンマイ・ゴロイ准教授
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