空気充填不要のタイヤ!---東洋ゴムが「ノアイア」を開発
https://response.jp/article/2017/09/08/299530.html
東洋ゴム工業は9月8日、空気充填不要の近未来型エアレス
コンセプトタイヤ「noair(ノアイア)」を開発したと発表した。
ノアイアは、内芯側を高剛性の特殊な樹脂スポークで構成し、
荷重を支持する力を確保するとともに、トレッド部分にはゴム部材を用いて、
「走る、曲がる、止まる」というタイヤの基本性能を成立させている。
また、スポークとトレッドゴムの間には樹脂で構成する
外径リングの内部をCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)で補強。
スポークにかかる荷重を低減している。
過去の試作モデルでは「楕円形のスポーク構造」で荷重を支持していたが、
ノアイアではタイヤ幅の奥側と手前側を交互に交差させる
「X字型スポーク構造」を採用。独自の支持構造形態で耐久力を向上させた。
また、スポーク本数を過去モデルより倍増(100ピッチ)したことで
接地圧を分散。接地時に発生するスポークによる打撃音を緩和させ、
これまで以上の静粛性を実現した。
ノアイアは、独自の材料設計基盤技術「ナノバランステクノロジー」によって
配合した、低燃費トレッドゴムを採用。耐久力については、同社市販製品での
法規相当条件を大幅にクリアしたほか、転がり抵抗値も市販製品に比べ
25%の良化、ウェット制動距離は4%短縮するなど、優れた環境性能と
安全性能を達成している。また車外騒音についても過去の試作モデルから
大幅に改善し、現行空気入りタイヤに遜色のないレベルに近づけた。
EVやコンパクトカーなどの未来型モビリティが
市場の一角を形成し始める社会を想定した場合、メンテナンスフリー性の
ニーズがより高まることが予想される。東洋ゴムでは、実車に装着して
走行できるレベルに到達しつつあることを踏まえ、コンセプトタイヤに
ネーミングを行うとともに、スポークのカラー化も実現していくなど、
ラボレベルから市販化へ向け、技術開発を加速させていく。