那覇商業高校の生徒商業研究部の部員約15人が防災意識や災害への備えについて研究し、ハザードマップを作製、パイナップルを使った「非常用保存食ちんすこう」を開発した。
研究発表が7月に開かれた沖縄県高等学校生徒商業研究発表大会で優秀賞に選ばれ、8月31日に那覇市役所に城間幹子市長を訪ね、研究内容を報告した。
岩手県陸前高田市で東日本大震災を体験した熊谷晴希さん(3年)が部員だったことがきっかけで、ことしの研究テーマに防災を選び、4月から研究を始めた。
学校と周辺自治会が合同で避難を訓練し、アンケートで訓練前後での防災意識の変化を比較。
事前研究では那覇市発行のハザードマップは細かすぎて避難所などが見えにくいという課題に気付き、久米、松山、若狭、久茂地の4地域のハザードマップを自作した。
商業に関する研究として、県産品を使った非常食の開発にも挑戦した。
認知度の高さや製造ラインが構築されていること、非常食だけでなく、お土産としても売れる見込みがある−などの理由から非常用保存食ちんすこうの商品化の可能性が高いと判断。
バナナやマンゴー、みそ、カボチャなどを使って試作した結果、喉の渇きを克服したパイナップル入りのちんすこうが非常食に適していると結論づけた。
県内企業への商品化の提案や住民の防災意識や備蓄などの調査を進めるほか、市とタイアップした防災イベントへの参加なども予定している。
部員たちに自身の被災体験を話した熊谷さんは「命はかけがえのないもので、自分の命は自分で守ることが一番重要。その後で、助け合うことにつながる」と強調。
部長の知念穏希さん(3年)は「3カ月間の短い期間しかなく、全力で大会に挑んだ。商品化を売り込みながら、防災意識の発信も続けていきたい」と意気込んだ。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/138727
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