「野菜たっぷりトマトリゾット」に「サーモンのカルトッチョ」。これらはレストランのメニューではありません。
大地震や水害などの災害に見舞われた時の食事として考案された「災害食」です。大きな共通点は、調理が簡単なことと地元の食材が使われていること。
東日本大震災などの教訓から、災害で避難を余儀なくされた時でも地元の食材を使った、おいしい食事で困難を乗り越えようと、「災害食」のレシピ作りが各地で広がっています。
9月1日の防災の日。札幌市で「北の災害食」のコンテストが行われました。
災害で電気やガス、水道が使えなくなった場合でも簡単に作れる北海道ならではの料理を考えてもらおうと北海道がことし初めて行いました。
あらかじめ応募された200を超える料理から6つを選んで、その場で調理し、実際に食べて審査が行われました。
審査のポイントは身近な食材を使って簡単に調理できるかや栄養バランスが整っているかなどです。
審査の結果、一般部門の最優秀賞には「体も心も温まる北海道自慢の三平汁」が選ばれました。
北海道産のジャガイモやサケの水煮の缶詰、甘酒などが使われています。塩分が控えめで栄養が豊富な点が評価されました。
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こうした「災害食」の取り組みは各地で広がっています。
新潟県では、13年前、新潟県中越地震で、約10万人が被災し、長期間の避難生活を余儀なくされました。
地震から10年を迎えた平成26年、県は災害が起きた時でも健康的に過ごすことができ、なおかつ平常時でも役に立つ食事レシピを公募しました。
条件は、電気やガス、水道が止まっていても、カセットコンロや鍋、ペットボトルの水などで45分以内で調理できること。80点余りの応募の中から22点が選ばれました。
最優秀賞に輝いたのは「クイックほうとう」。どこの家でも常備してある乾麺を使ったもので、地元産の伝統野菜「長岡巾着なす」も使われています。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170901/k10011123071000.html