農産物の「規格外品」は、低価格の加工品などにする以外、ほとんどが廃棄されている。味や栄養分が劣るわけではなく、その有効活用は農家の経営安定にとって鍵を握るとされる。
農林水産省は規格外品の数量や収穫量に対する割合を把握していないが、兵庫県立農林水産技術総合センター(兵庫県加西市)の研究員は「収穫量の1割以上に上る」と推測する。
兵庫県が示す目安では、市場で扱う農産物を大きさや色、形などで分類する。野菜や果物の品質は「秀」「優」「良」の3段階に分けられ、それ以外は規格外品として出荷されない。
同省の統計によると、県内では昨年、青ネギが972トン収穫されたが、このうち出荷されたのは635トン。姫路市農政総務課は、差し引きした約4割が規格外品だったとみる。市内のあるモモ農家では、
収穫したモモの半数が出荷できなかったという。
ただ最近では、味や鮮度に問題がなければ、規格外品が安価で店頭に並ぶことも多くなった。袋詰めにした「カット野菜」も手軽さが人気を集めている。
同課の担当者は「ジャムやジュースに加工するだけでなく、規格外品を有効に活用しようとする動きは、さらに広がるのではないか」としている。
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201708/0010508189.shtml
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