県八重山保健所の行政指導を受け、6月から豚・ヤギの血液の採取・出荷を停止していた八重山食肉センターは18日までに、施設整備や作業手順の追加を行うなど、法律の基準に適合する体制を整えた。
豚・ヤギのと畜は月・金曜日の週2回。21日のと畜日から、注文に応じて採取・出荷を再開する。
センターでは「血を使った食文化が守られる」としている。
センターは、県北部食肉業組合がことし4月に出荷停止の行政指導を受けたのに続き、6月に同様の指導を受けた。
と畜場法施行規則などによると、食用に供する目的で血液を採取する場合は▽採決後直ちに4度以下に冷却すること
▽血液貯留室が他の部屋と区画されていること—など細かな規格基準が定められており、センターもこれらの基準を満たしていなかった。
このためセンターは、血液専用の保管室を設け、この中に専用の冷蔵庫を置き、2度以下で温度管理を徹底。手順についても、毛をそってアルコール消毒を行った後に採決し、終了後は1頭ごとに83度以上の温湯で血液採取器具を洗浄消毒することを追加した。
これらの改善により、県も基準をクリアしたと認めた。
血液は、チーイリチー(血の炒め物)のほか、やぎ汁・牛汁など汁物にも使用されている。
ヤギ・牛料理を提供する飲食店経営者の1人は「出荷停止は前もって分かっていたので予備で対応した。血がないと仕事にならない。血が料理のベースになるので再開できて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
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