19世紀以来の謎「ガラスの基本構造」が解明される

ガラスは現代人にとって身近な存在であるが、実は未解明の存在でもある。ガラスや、シリコンなどの
基本単位構造はオルトケイ酸の結晶から成るのだが、この物質の詳細な分子構造は、19世紀以来、
未解明のままだった。しかし今回、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所、
日本原子力研究開発機構、J-PARCセンター、総合科学研究機構の5者からなる共同研究グループが、
それを解き明かしたという。

ガラスの歴史は古い。紀元前4,000年を超える太古の昔、古代エジプト文明や古代メソポタミア文明において、
既にガラスは装飾品などに利用されていた。なお、黒曜石も天然ガラスの一種とされているので、そこまで話を
遡らせれば石器時代以来ということになる。

しかし、いずれにせよ古代においてガラスは貴重であった。量産のための技術的革新は史上幾度となく
行われているが、それでも貴重であった。透明な板ガラスが大量生産できるようになったのは、実に18世紀に
入ってからのことである。

19世紀に入ると、化学者ベルセリウスにより、シリカが水に溶ける現象が発見され、溶解性のシリカ、つまり
オルトケイ酸の科学が始まった。20世紀に入って、ようやくそれがSiO4H4という組成を持つことが判明した。
だが、それを単離結晶化することは、21世紀、今日に至るまで誰も為し得なかったのである。

そして今回、共同研究グループは、オルトケイ酸の「真の前駆体」とされるシラノールを安定的に合成する技術を
応用し、ついに、ガラスやシリコンの基本単位であるオルトケイ酸を、安定的に合成・単離する技術の開発に成功したのである。

なお、これまで200年にも渡って化学者たちが失敗し続けてきた大きな原因は、オルトケイ酸の合成反応において
水を利用しようとしていたことにあったらしい。今回の研究は、水を用いない反応を利用することで成功したというわけだ。

なお、本研究の詳細は、現地時間26日、英国の学術誌Nature Communicationsに掲載されている。(藤沢文太)

財経新聞
http://www.zaikei.co.jp/article/20170728/388236.html


専門的な詳しい話はこちらのソースで

200年謎だったガラスとシリコーンの基本構造を世界初解明、高機能化に道筋
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1707/28/news042.html

NEDOのプレスリリース
世界で初めて、ガラスやシリコーンの基本構造を解明
―200年にわたる謎に終止符、ケイ素材料の高機能・高性能化に期待―
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100806.html


スレ建てようと思って忘れていた
若干遅報 ごめん(´・ω・`)