言葉には力がある。言葉こそ民主主義であると思う。美辞麗句は必要ない。
愚直に議論し熟議を重ねて結論を得る。そのていねいな過程が見られない国民は不幸だ
▼安倍政権が崖っぷちである。つい先ごろまで盤石の「一強」だった。
共謀罪法案の強行や日報隠し、お友だち優遇疑惑など「首相本人が信用できない」理由で支持率が急落した
▼安倍政権は多くの言葉であふれている。美辞麗句を散りばめ首相自身が呪文のごとく唱える。言葉の真偽を見破る力が求められている
▼看板政策にいわく「1億総活躍」といい、「地方創生」や「女性が輝く社会」、「働き方改革」といい、今度は大げさにも「人づくり革命」と言い出した。目先を変えるように言葉が浪費され、次々に掛け替えられる看板政策は、内容を伴っているか検証が必要だ
▼首相は改造内閣について「仕事人(しごとにん)内閣」と自負してみせた。これって、まるで前閣僚の面々が資質に欠ける「お友だち内閣」だったことを認めるような言葉の軽さでは。早速「自分は素人」と言う正直な大臣も現れた
▼炎暑のなか、ことしの実りに感謝し、来夏世の豊じょうを乞い願う豊年祭シーズンも峠を越えた。
祈りの言葉は、共同体の繁栄と村人のいやさかを予祝する。未来に伝えたい言葉の力である。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/32061/