県内で急増「お墓の引っ越し」 過疎の古里から遺骨も都市部へ
先祖が眠る墓(遺骨)を、別の墓地や納骨堂などへ「改葬」する動きが広がっている。
岡山県ではここ十数年来、おおむね増加傾向をたどっており、2015年度は
1400件と過去最多を更新。2000年度以降の増加率でも全国平均を大幅に上回っている。
墓を引っ越しする理由とは−。墓参りする人が多いお盆を前に取材すると、
少子高齢化や過疎化、都市部への人口流出といった複合的な要因が浮かび上がってきた。
「岡山市に住む息子の家近くに墓を移そうと思っている。
私たちが死んだ後、誰も墓参りに来ないのはつらいしね」。
墓探しのため妻と県南部の寺を訪れていた男性(67)が言う。
生まれ育った瀬戸内市の辺境部は過疎が進んで住民がほとんどいなくなり、
両親や集落関係者が眠る実家近くの墓地周辺も荒れ放題。
山の斜面の雑木をかき分けながらの墓参りは、年齢を重ねるごとに億劫(おっくう)になっているという。
「子どもに同じ苦労はさせたくありません」
相次ぐ墓地返還
一度埋葬した遺骨を勝手に動かすことは、法律で禁止されている。
引っ越すには、墓のある市町村の「改葬許可申請書」に元の墓の管理者から押印してもらうとともに、
移転先の「受入証明書」などを提出する必要がある。こうした手続きが整わなければ、
元の市町村役場から「改葬許可」を得ることはできない。
この「改葬許可」件数は厚生労働省の「衛生行政報告例」にまとめられている。
各年度のデータをひもとくと、2000年に全国で6万6643件だった改葬件数は、
15年度は9万1567件に増加。岡山県では同期間で509件から1400件となっており、
2.75倍(全国平均は1.37倍)となっている。地域別では、北陸(2.94倍)、
中国(2.31倍)、九州(2.10倍)などが2倍を超えている。
(続きは以下ソース)
http://www.sanyonews.jp/article/573543/1/