タックスヘイブン(租税回避地)のパナマにあった実質的な子会社を無関係の取引先に装い、この子会社の所得を意図的に
除外していたとして、東京都内の海運会社が東京国税局から、2016年までの約7年間で約8億円の所得隠しを指摘されたことがわかった。
追徴税額は重加算税を含め約3億円とみられる。
指摘を受けたのは、鋼材輸送などを手がける「バンガードエンタープライズ」(千代田区)。同社の担当者は「国税局と見解の相違はあったが、
修正申告し、納税した」としている。
関係者によると、同社はパナマの関係会社から船舶を借りて事業の一部を行っていた。関係会社の登記上の株主は、バンガード社と無関係の
外国人名義で、同社は関係会社の所得を日本での税務申告で除外していた。
しかし、国税局が調査したところ、この関係会社の実質的な株主がバンガード社と判明。国税局は、関係会社を実質的な子会社と認定し、
「タックスヘイブン対策税制」を適用して、関係会社の所得をバンガード社の所得とみなして課税したとされる。同制度は、税率の低い海外に
所得を移して税負担を軽減する行為を防ぐもの。
国税局は、同社が意図的に出資関係を隠し、同税制の適用を逃れたとみて重加算税を課した模様だ。
http://www.asahi.com/articles/ASK744W6TK74UTIL022.html