小学生の頃、なけなしのおこづかいで初めて買った釣り具は
近所の釣具屋にあった、糸、針、浮きなども入っていた500円の竹竿セットだった。
それで数少ない釣り好きの友達とフナ、オイカワ、タナゴなどを釣って大興奮していた。
  
その後、小学校の図書館で「つり入門」の本に数ページだけ
ルアー釣りなるものの紹介がされているのを見つけた。
釣る魚は、見たことも聞いたこともないブラックバスだという。
  
興味津々だったが、ルアー釣りなど日本ではまったく知られておらず
詳細もよく分からないまま時が過ぎた。
  
釣りキチ三平のアニメ放送が始まった頃、遠くの大きな釣具屋で
「ダイワ ルアー・フライ」という本を見つけた。
ページをめくると、ルアー、フライフィッシングの写真や解説、外国の釣り具の紹介であふれていた。
おこづかいを使いきり、その本をやっと買うことが出来た。
  
家に帰ってドキドキしながら読み始めた。
西山徹氏が、日本やアメリカの各地で釣りをする光景や
ダイワ・ファントム、RAPALA、REBEL、STORM、Heddon、STREN、SA/3Mなどの
釣り具の写真を見ているだけでワクワクした。
  
トラウトといった言葉や、日光・湯川や芦ノ湖といった地名も、この本で初めて知った。
遠方で釣りをすることや、高額な釣り具など買えない自分には、この本が宝物になった。