仮想通貨「ビットコイン」相場に急ブレーキがかかっている。
今春以降、ビットコイン価格は急騰し、5月には一時、過去最高の1ビットコイン=34万円台に上昇した。
しかし、足元では30万円を割り込む水準にある。重荷となったのはビットコインの記録方式の「規格」をめぐる分裂問題だ。
先行きの不透明感から、投資家が他の仮想通貨に資金を分散する動きも出ている。

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 国内取引所大手ビットフライヤーによると、ビットコインの価格は5月25日に一時、過去最高値の34万7千円台をつけた。
取引所を登録制にするなど規制が強化されたほか、家電量販店など決済可能な企業の増加が追い風になったためだ。

 だが、その後5月末には27万円を割り込み、現在も30万円を下回る状況が続いている。
ビットフライヤーの金光碧取締役は「(規格をめぐる分裂問題で)価格が動いている部分が大きい」と指摘する。

 ビットコインは国や中央銀行など公的な発行体を持たない。
複数のサーバーに全ての取引を記録し、複製や改竄(かいざん)ができないようにしている。
だが、利用が急増したことで、記録を終えて取引が成立したと判断されるまでに時間がかかるようになり、
安い手数料で、すぐに海外送金できるなどのメリットが失われる恐れが出ていた。

このため、記録形式を新たな規格に変更する取り組みが進んだ。
だが、ビットフライヤーによると、複数の規格が浮上し結論がまとまらず、一部事業者が8月1日から新たな規格に対応したプログラムを使用する方針を表明した。
仮に複数の規格に分裂すれば、将来的にどちらかの規格が使われなくなると、保有するビットコインの取引ができなくなる恐れがある。

ビットコイン人気にブレーキ!? 8月の分裂危機 「規格」まとまらず、加熱人気に冷水
http://www.sankei.com/economy/news/170629/ecn1706290034-n1.html