「傘」開き大気圏突入=小型衛星の実験成功−東大など:時事ドットコム
宇宙空間で布製の「傘」を開いて超小型衛星を減速させ、大気圏に突入させることに成功したと、
東京大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)などのチームが23日発表した。宇宙からの試料回収や、
希薄な大気を持つ火星探査などに応用が期待される。
衛星などが大気圏に突入する際には、大気の分子が高速でぶつかり、機体が高熱にさらされる
「空力加熱」が起きる。小型衛星では、十分な耐熱素材や断熱材で防御する対策が難しかった。
東京大の鈴木宏二郎教授らの研究チームは、縦横10センチ、長さ30センチの機体に、防火服
などに使われる布素材でできた六角形の「エアロシェル」を収納した超小型衛星「EGG」を開発。
今年1月、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」から放出した。
EGGは高度約400キロで、直径約80センチのエアロシェルを展開。空気が希薄な高度で広げ
ることで、空力加熱を抑えながら徐々に減速し、5月15日に太平洋の高度約95キロで大気圏に
突入した。今回は衛星の落下地点を制御できないため、そのまま焼失させた。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062301082&g=soc
http://www.jiji.com/news/kiji_photos/0170623at78_p.jpg
耐熱性の布でできた傘状の「エアロシェル」(右)を使い、大気圏突入に成功した超小型衛星「EGG」
(同型品)。本体(左)に畳んで収納されたエアロシェルを宇宙空間で展開し、減速する
=23日、東京都千代田区の宇宙航空研究開発機構
EGG衛星 特設ページ
http://gd.isas.jaxa.jp/~kzyamada/EGG_FL_2017/
http://gd.isas.jaxa.jp/~kzyamada/EGG_FL_2017/2015_Uchu_EGG.png