東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却を巡り、協業先で他社への売却に反対してきた米ウエスタンデジタル（ＷＤ）が譲歩案を検討していることが10日わかった。
東芝メモリ株の保有を買収時点では断念し、同社に社債の形で資金提供することで、東芝が懸念してきた独占禁止法の審査を通りやすくする。
産業革新機構を軸とする日米連合に加わる際の買収額を２兆円規模に引き上げることを目指す。
東芝とＷＤは９日午後にトップ会談し、ＷＤが革新機構を軸とする日米連合に合流する際の具体案について協議した。ただ東芝側との議論は平行線だったもようで、ＷＤは急きょ、大幅な譲歩案を検討し始めた。
革新機構などと調整してきた現行案の買収額についてＷＤは「1.9兆円規模」としてきた。これを東芝が事業売却の基準としてきた２兆円に引き上げるため、ＷＤを中心に金額の上乗せを再検討する。
ＷＤは一連の修正を加えた譲歩案について、自社の機関決定や関係者との調整を経て６月中旬をメドに東芝に再提示するという。
ＷＤは東芝がメモリー事業を第三者に売却する手続きの中止を求め、５月に国際機関に仲裁を申し立てた。自社が加わる陣営が売却先に選ばれれば、申し立てを取り下げる方針だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ10H2N_Q7A610C1000000/
http://www.nikkei.com/content/pic/20170610/96958A9E93819688E3E29AE09C8DE3E2E2E4E0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXMZO1734323006062017000003-PB1-10.jpg
