沖縄県名護市羽地(はねじ)の仲尾、川上、親川、田井等(たいら)の4区はこのほど、合同で「五穀豊穣(ほうじょう)」を祈願するあぜ払い御願と、虫舟に虫を乗せた「虫流し」の神事を行った。
旧暦4月の第2「子(ね)」の日の年中行事で、今年は5月13日に行われた。
仲尾区の国道505号沿いの山に位置する「拝原御嶽(神名・ニヨフモリノ御イベ)」に通じる拝所で、仲尾区の玉城清市区長と川上区の平光男区長が線香をたき、三枚肉を供え手を合わせた。
仲尾海岸では親川区の宮城靖区長と田井等区の古我知司区長、ノロの警護役とされた神人代理の川上達也さん(63)らが羽地内海に向かって豊作を祈願。
バナナの茎で作った虫舟にバッタなどを乗せ「虫流し」の儀式を行った。
同日の午前中は雷がとどろき、竜巻注意報が出されていたが、行事が始まる午後1時ごろには雨がやんでいた。
平区長は「羽地米も豊作間違いなし」と話し、古我知区長は「4区の願いは天気にも通じた」とうれしそうだった。(玉城学通信員)
今帰仁村でもカタツムリ流す
沖縄県今帰仁(なきじん)村呉我区(石嶺康政区長)はこのほど、「アブシバレー」の神事を行った。
「呉我アサギ」で供え物と線香をたき、書記の河上照美さんが「豊作祈願」と「子孫繁栄」を願い手を合わせた後、真利原海岸に移動。
老人会長の玉城金由さん(72)、成人会長の宮城智さん(43)らが内海に向き祈願した。
石嶺区長が長さ約40センチ、幅20センチの芭蕉の葉の茎で作った「虫舟」にカタツムリなどを乗せて「虫流し」の儀式を行った。
初めて見た宮城さんは「舟を浮かべた瞬間に進んで行ったので神聖な感じがした」と感激していた。
その後、公民館に移動し「あしび」で盛り上った。
金城松雄さん(84)と山城弘永さん(84)は来年「トーカチ」を迎える同級生。
「昭和40年代まで呉我に田んぼがあり、羽地地域で一番大きかった。あぜ道の審査があり。草を刈らないと罰があった」などと懐かしんだ。(玉城学通信員)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/100806
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