(続き)




公益社団法人 日本獣医師会
http://nichiju.lin.gr.jp/

平成27年度全国獣医師会事務・事業推進会議の開催
http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06809/a2.pdf
それからもう一点,日本獣医師政治連盟として,今まで新しい獣医師養成大学・学部の設置については反対をしてまいりましたが,本件について最終的に先日閣議決定がなされました.
骨太方針あるいは成長戦略という言葉をニュース等々で皆さまも目にされたと思います.
その中に,本当に小さく獣医師養成大学・学部の新設に関する検討という項目が出てまいります.
その部分を読ませていただきますと,「現在の提案主体による既存の獣医師養成ではない構想が具体化し,ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における需要が明確になり,
かつ,既存の大学,学部では対応が困難な場合には近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ,全国的見地から本年度内に検討を行う」という文言が出てまいります.
3つの条件が付いています.
つまり,新しい大学を作りたいところが既存の獣医師養成機関でないという構想が具体化すること,次に,獣医師が新たに対応すべき分野の需要の要請があるということが2つ目,
かつ,16獣医学系大学においてそれに対応できない場合ということが3つ目の条件となりますが,この獣医師養成の大学・学部の新設の可能性はこの3つの条件によりほとんどゼロです.
16獣医学系大学で対応できない獣医師はいない訳ですから,現存の獣医学系大学でこれらができるということは当然です.
石破担当大臣と相談をした結果,最終的に,「既存の大学・学部で対応が困難な場合」という文言を入れていただきました.
ただし,今後もこの問題は尾を引いてくると思います.
つまり,日本の最高権力者である内閣総理大臣が作れと言えばできてしまう仕組みになっておりますので,こういう文言を無視して作ることは可能です.
内閣がもしこれを行うのであれば私たちは現在の内閣に対して敵に回らざるを得ないのですが,獣医師会としては抵抗勢力にはなりたくない,
抵抗勢力としてマスメディア等々で取り上げられ,獣医師会は抵抗勢力である,訳の分からないことを言っている団体だということになりますと,世論の風当たりは強いものになります.

(続く)