[東京 23日 ロイター] - 米レイセオンと三菱電機、米ロッキード・マーチンとの2陣営がそれぞれ、弾道ミサイル防衛の
要であるイージスシステムのレーダーの共同開発を検討していることがわかった。

両陣営とも日本の高性能半導体を使い、探知性能を向上させることが狙い。日米の複数の政府・業界関係者が明らかにした。
日本が建造中のイージス艦、さらに導入を検討中の陸上配備型イージスも、いずれかのレーダーを積む可能性がある。

レイセオン、ロッキードとも、三菱電機と富士通がそれぞれ手掛ける半導体に注目している。
青色発光ダイオードの材料として知られる窒化ガリウム(GaN)を素子に使った高性能の半導体で消費電力の低さと
高い出力が特徴。レーダーを小型化しつつ、探知距離や識別能力を大幅に引き上げることができる。

防空戦闘を得意とし、弾道ミサイル防衛の中核装備であるイージス艦は、上空警戒と低空警戒の2種類のレーダーを積む。
米海軍は2018年から配備を始める上空用の新型レーダーに、レイセオンが自社製GaNを使って開発した「SPY6」を採用した。

しかし、低空用は従来のものを使い続ける見込みで、レイセオンはこれをGaNの技術に定評のある三菱電機と開発したい考え。
一方、米軍の次期イージスレーダーの受注を逃したロッキードも、富士通のGaNを使って自社のレーダーの性能を高めようとしている。

北朝鮮は初めて高度2000キロ超に達した5月14日の中距離弾に続き、21日には固体燃料を使った別の中距離弾を移動式発射台
から打つなど、ミサイル開発を急ピッチで進めている。

ミサイル防衛を強化中の日本は7隻目のイージス艦を2020年に、8隻目を21年に就役させる予定で、共同開発が間に合えば、
2隻はどちらかの陣営のレーダーを積む可能性がある。

以下ソース
http://jp.reuters.com/article/us-japan-aegis-idJPKBN18J0IX