2/29(木) 23:16配信 毎日新聞
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 第82期名人戦A級順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の最終9回戦全5局が29日、静岡市葵区の浮月楼で一斉に指され、単独首位の豊島将之九段(33)が96手で菅井竜也八段(31)に勝って7勝2敗とし、名人挑戦権を獲得した。豊島九段は、渡辺明九段(39)に名人位を奪われて以来の4年ぶりの復位を期す。菅井八段は5勝4敗。

 初防衛を目指す藤井聡太名人(21)との七番勝負は4月10、11の両日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。

 豊島九段がタイトル戦に登場するのは、永瀬拓矢九段(31)に挑戦した2022年8~10月の王座戦五番勝負以来。藤井名人とのタイトル戦は1勝4敗で敗れた22年6~9月の王位戦七番勝負以来5回目となる。豊島九段は、藤井名人との対戦で初戦から6連勝して「藤井キラー」として名をはせたが、その後は藤井名人が押し返し、両者の対戦成績は藤井名人が22勝11敗と大きく勝ち越している。

 豊島九段は今期、初戦から6連勝して首位を独走。7、8回戦で連敗したものの、最終局を勝ち切って挑戦を決めた。居飛車主体の棋士だったが、昨年6月から公式戦で振り飛車も見せるようになり、作戦の幅を広げている。

 名人挑戦者に豊島九段が決まったことについて、藤井名人は「豊島九段とはタイトル戦で久しぶりの対戦となるが、最近は振り飛車や居飛車でも以前と違う戦型を試しているので、七番勝負はこれまでと違った展開が考えられる。豊島九段の工夫に、しっかり読みを入れて対応できるようにしていきたい」と語った。【丸山進】