ミニスカちらりと下着がのぞいて…小川ローザが口にした「Oh!モーレツ」 社会はナンセンスなものを求めていた

2024.2/22 06:30

東大安田講堂事件を経て、学生運動が大衆から離れて過激化していく一方、社会はナンセンスなものを求めていた。

1969年にスタートした「巨泉・前武ゲバゲバ90分!」(日本テレビ系)から生まれた流行語「アッと驚く為五郎」などはまさにナンセンスの極みだろう。

番組自体が、ショートコントのつなぎ合わせというコラージュ的な印象が強いが、その中でもわずか5秒ほどのアイキャッチで使われたフレーズだった。

唐突に小型テレビを見ているヒッピー姿のハナ肇が登場し、「アッと驚く、ためご~ろ~う~、なに?」と言うだけ。ナンセンスだが、汎用(はんよう)性の高いギャグだけに、これが受けた。子供たちはこぞって学校でものまねしたものだ。

ナンセンスといえば、放送作家の大橋巨泉が出演したパイロット萬年筆(当時)のCMで生まれたフレーズ「はっぱふみふみ」もこの年の流行語だ。当時は5秒CMが全盛で、キャッチフレーズもショートセンテンスが主流だった。

「みじかびの、きゃぷりてとれば、すぎちょびれ、すぎかきすらの、はっぱふみふみ」と語りかけてくる巨泉。最後に「わかるね」というが、見ている側は正直何のことやら分からない。だが、分かったような気になったものだ。それが当時「野球は巨人、司会は巨泉」と絶大な人気を誇った巨泉の説得力だ。

そして、69年を代表するCMとしてよく知られるのが、「丸善ガソリン100ダッシュ」で小川ローザが口にした「Oh!モーレツ」だ。風に吹かれたミニスカートがちらりとめくれて、下着がのぞいて「Oh!モーレツ」。
今ではコンプライアンス的にアウトであろうCMだが、当時はこんな軽いお色気が夕飯時のお茶の間に普通に流れていた。そして多くの家庭で、小学生たちが大いに戸惑うのが当たり前の景色だった。

「モーレツ」は高度経済成長期の日本を象徴する言葉だ。朝から晩まで働き続けるサラリーマンを「モーレツ社員」としてたたえていたのだから、「働き方改革」が広がった今とは隔世の感だ。

■小川ローザ モデル。1946年10月1日生まれ、77歳。東京都出身。ファッション誌でモデルを務める中、丸善石油のCMで注目される。「コント55号の裏番組をぶっとばせ!」の野球拳でセミヌードになったことでも話題を集めた。

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