2024年2月6日 17:46

東スポWEB

 脳科学者の茂木健一郎氏が6日「X」(旧ツイッター)を更新。3月に東京芸術大学美術館で開催される「大吉原展」について言及した。

 大吉原展は江戸時代に250年続いた遊郭・吉原の文化・芸術などを検証し、その全貌に迫るというもの。3月26日~5月19日の約2か月間開催される予定。公式サイトでは「ファッションの最先端」「カルチャーの発信地」などといった紹介文が見られる。

 しかし、茂木氏はこのイベントについて「東京藝大美術館の大吉原展、アートに関わる国内のトップ大学としてあり得ないお粗末さ。ぼくが知る学生、教員のリテラシーの高さからすると信じられません。ひとつ一つの展示物はともかく、全体のキュレーション、文脈付けが致命的に愚か」と批判。

 さらに「東京藝大の学生、教員は、アートに関する今のグローバルな水準を熟知しているはず。その、国内のアートのトップ大学の美術館で、大吉原展のようなまったく調子外れの企画展が出てきた事実に衝撃を受けました。大幅な企画の変更ないしは中止は不可避だと考えます」などと警鐘を鳴らしている。

 また、茂木氏は自身のYouTubeチャンネルで、このイベントについて「1980年代の古臭いノリ。個々のマテリアルは興味深いが、全体の文脈については時代外れすぎて途方に暮れる」
「本来はジェンダーの問題とか社会構造の問題とかそういうコンセプトを打ち出して受け止められる価値のあるジャンルのものだが、それがないのに驚いた。これを出すことに誰もリスクを感じないのにびっくりしたというか悲しい気持ちになっている」と話している。

 「X」上でもこのイベントについて「美化されすぎ」「人身売買の歴史がウォッシュされている」「ここで女性たちが何をされていたかこれでもかとぼやかされた序文と概要」などといった批判の声が出ている。

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/291373