泥臭いルーツロックと都会的なAORサウンドをミックスさせたレス・デューデックのソロデビュー作『レス・デューデック』
1/21(日) 18:03 OKMusic
https://news.yahoo.co.jp/articles/b02680bb6b0e9c28cb3d339bf6760f23dd4f3310?page=1
レス・デューデックの『レス・デューデック』
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20240121-00010000-okm-000-1-view.jpg


OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!』のアーカイブス。今は亡きデュアン・オールマンの再来と言えば、デレク・トラックスの印象が大きいが、かつてはレス・デューデックに注目が集まっていた。2013年には来日公演があったのだが、観に行ったのはほとんどが昔からのファンで、ロック界ではすっかり忘れられた存在になってしまっている。しかし、彼が76年にリリースしたソロデビュー作『レス・デューデック』と、続くセカンド『セイ・ノー・モア』(‘77)は、後にTOTOを結成する敏腕アーティストたちとタッグを組み、オールマンブラザーズ譲りの泥臭いロックと洗練されたAORをミックスした新しいサザンロックを聴かせている。この2枚はどちらも甲乙付け難い内容であるが、当時、彼のデビューはかなり衝撃的な出来事だったので、今回は1st アルバムの『レス・デューデック』を取り上げる。プロデュースは『シルク・ディグリーズ』(‘76)の大ヒットで知られるボズ・スキャッグスが買って出ている。
※本稿は2019年に掲載

■唯一無二のデュアン・オールマンの存在

(※中略)

■本作『レス・デューデック』について

その後、ソロアーティストとして本作『レス・デューデック』をリリース、水と油のようなルーツロックとAORをうまくミックスし、新しいサザンロックを創り上げることに成功する。プロデュースはボズが務め、その関係からバックミュージシャンは『シルク・ディグリーズ』に参加した、のちのTOTOとなるデビッド・ペイチ(kye)、デビッド・ハンゲイト(Ba)、ジェフ・ポーカロ(Dr)らの他、チャック・レイニー(Ba)、ジェラルド・ジョンソン(Ba)、トム・スコット(Sax)、デビッド・フォスター(kye)など、一流のアーティストたちがデューデックのデビューに花を添えている。

収録曲は全部で8曲、1曲のみ共作で、あとは全てデューデックが書いている。

1曲目の「シティ・マジック」はシングルカットこそされていないが、ロスのラジオ局で相当オンエアされ、当時は日本でもよく取り上げられていたナンバー。都会的なウエストコーストロックっぽいアレンジの中に、オールマン風の泥臭いヴォーカルやギターが登場するのは不思議な感じであった。ペイチのピアノもチャック・リーヴェルをリスペクトしたプレイを披露しているが、なんと言ってもデューデックのギタープレイが光っている。また、彼が得意とするスライドは「サッド・クラウン」だけで使われている。これは、スライドを多用すると泥臭くなりすぎるからという理由で、このあたりはプロデューサーとしてのボズの時代感覚が出たのだろうと思う。

スローなナンバーは「イーチ・モーニング」(ここでは必殺の泣きのギターが聴ける)だけで、あとは彼のドライブするギターワークを生かすために、テンポの速いファンキーな曲で占められている。本作リリース時、デューデックはまだ24歳(デュアンが亡くなった年齢!)ながら、ギターもヴォーカルもツボを押さえた名演揃いである。時にはデュアンが乗り移ったかのようなドライブ感にあふれるプレイを聴かせる。

(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)

TEXT:河崎直人


●City Magic
https://www.youtube.com/watch?v=TTNybMxY8eY

●Each Morning
https://www.youtube.com/watch?v=VfEz3Xktf50